【第3回】虎太コラム~トップバッターの適任者をセイバーメトリクスも交えて考察する
どーもどーも虎太🐯です。
虎太は打順において4番よりトップバッターを重視してるんだけど、現在の得点率の低さは、個人成績の悪さもさることながら、この上位打線、特に1・2番が機能していないことに起因しているって思ってるよ。
そこで今回の虎太コラムでは、トップバッターの条件についてお話しするね。
虎太的トップバッターになるための5つの条件
はい、これが虎太が考える理想的なトップバッターの条件です。
えっ、厳しすぎるって?
いやいやそんなことないよ。
そもそもトップバッターって、一番回ってくる打順だからね。
当然ながら相当優秀なバッターを置かなきゃいけない。
一般的なイメージだと、なんかとにかく塁に出て盗塁して相手をかき回す選手って思われてるけど、今どきたったそれだけでなれる打順ではないよ。
そんな単純な打順じゃないんだ。
だいたいいつもイニングの先頭で出てくるわけじゃないんだからさ。
一番回ってくるってことは、その時々でいろんな場面が想定されるわけで、それらの状況に対してしっかり対応できることが求められるよ。
4番なんかは役割がシンプルだけど、1番はそういうわけにはいかない。
だからさっきも言ったけど、打線においてトップバッターは最も重要なポジションなんだよ。
ちなみに気づいた方もいるだろうけど、昔から使われているシンプルな指標「打率」や「盗塁数」については一切言及してないってところもポイントだよ。
提示した5つの条件の論拠
まずOBP。
最も多く打席に立つわけだから当然これが条件のトップにくるよ。
別にヒットでなくてもいい、出塁してくれれば何でもいいってことだね。
イニングの先頭になる確率はやっぱり高いからね。
次にBB/K。
これは「四球数÷三振数」で算出されるもので、特に選球眼の良さを表す指標だね。
それと四球に関してはOBPでも図ってるけど、この指標のミソは三振の少なさ=ミート力を含んでるところ。
一番回ってくる打順の人が三振ばかりじゃなにも起こらないからね。
これは従来のトップバッターのイメージとはちょっと異なるけど、虎太的にはすごく大事なポイントだと思ってるよ。
トップバッターに打席が回ってくるシチュエーションを考えると、一死以上でランナーが一塁またはランナーがいないケースも多い。
そこでこの長打率が大事になってくるよ。
一塁ランナーがいる場合は、そのランナーを一気に生還させる、またはニ三塁にする。
ランナーがいない場合は、一打で得点圏にランナーを置くチャンスメイク、またはホームランで得点を自分だけで上げてしまうってことだね。
当然のことだけど、少ない手数でチャンスメイクまたは得点を上げることが理想って考えれば、この長打率ってのは非常に大事になってくるよ。
1番だからっていっつも単打じゃあ効率が悪い。
得点圏にランナーがいればそれでもいいけど、その可能性はさっき挙げたケースより低いわけだからさ。
ただ2番以降の方が長打率が重視されるから、長打率はチームで3~4番目くらいってのが妥当だね。
あ、あとついでに得点圏打率についてだけど、これは虎太的にほとんど重視してないよ。
チャンスに強いとかっていうけど、こんなにあいまいな指標はないからね。
少ない打席の打率は信ぴょう性がないのと同じで、そもそも得点圏にランナーがいる場合にどれだけ多く打席に立っているかも問題になってくるし、これはもちろんチームによって全然変わってくると思うしね。
実際これって年度をまたいで考えるとほとんど相関関係が見られない。
もしこれを重視するってことはもうメンタルの領域でファジーすぎる。
チャンスになるとビビるとか、目がうつろになるとか、そういうところだからね。
あっ、でもウチの大山は・・・いやなんでもないw。
まあ「単年で考える&あまりにも打率に対して低すぎる」場合は、意味があるのかもしれないね。
最後に足の速さと走塁・盗塁技術について。
これは従来の考え方に近いところだけど、先述の通り盗塁数は特に問題にしてないのがポイントだよ。
もちろんトップバッターが出塁した場合、ピッチャーにプレッシャーを与える必要があることは昔も今も変わらない大事な役割。
だから盗塁できないってのは論外なんだけど、だからといって盗塁数がチームトップである必要はないよ。
要はピッチャーに「もしかしたら走ってくるかも。そんで走らせるとほとんど成功するし・・・困ったな」って思わせることが重要なんだから。
ここでついでにみなさんにお伝えしときたいんだけど、トップバッターが出塁するとすぐに「盗塁や、盗塁せーやー」って考える人がいるけど、それはちょっと違うと思うんだ。
確実に成功するならもちろんアリだけど、ここにも挙げたように80%未満の成功率ならリスキーすぎるし、ただのギャンブルだから戦略としては下策。
当然のことだけどランナーが一人でもいるのといないのとでは全然違うわけで、トップバッターが出塁した場合の最大の役割は、ピッチャーにプレッシャーをかけて、コントロールを乱させる、2番バッターに狙い球を絞りやすくさせてあげること。
(だから虎太は2番に小技が使えるバッターよりそれこそ打率や長打率の高いバッターを置きたいと思ってるんだけど、その話はまたいずれ)
だから別にホントに盗塁する必要はないんだ。
広島を例に挙げると、昨季の広島はすごく走ってくるイメージがあって、それも点がいっぱい入った理由の一つって思ってる人がいるけど、ホントにそうかな?
実は広島の野手の盗塁成功率って低かったんだよね。
特に1番の田中の盗塁成功率がすごく悪かった。
ただ昨季の広島って、そんなのカンタンにリカバリーできる強力打線だったからね。
2番の菊池、3番の丸、4番の誠也と軒並み走れて打てるバッターが並んでたから目立ってなかっただけなんじゃないかなって虎太は思ってるよ。
田中のひとり上手でランナーがいなくなっても、次々にすごいバッターが出てきて、簡単にカバーできてたから点が取れてたわけで、今季のように長打率の高い丸がいなくなった途端、打線が機能しなくなってる気がするよ。
もちろん広島の低迷理由はそれだけじゃないんだけどさ。
・・・ちょっと長くなったけど、とにかく盗塁で言えばトップバッターは盗塁の数より成功率。
あくまでも走るかもって思わせること、あとは2番がヒットを打った場合サードまで行ける確率の高さやサードに行った場合に内野ゴロでホームに生還できる走塁技術が大事だと思うよ。
タイガースの1番には誰が適任か
さて、長々と虎太がトップバッターに求めることについてお話ししたけど、ここからが本題。
タイガースにとって現状誰が最も1番に適しているか。
各セイバーメトリクスの指標を総合して考えれば、それは・・・糸井だね。
ただ矢野さんはまったくそんなつもりもないだろうね。
そんなことをしたら3番がいなくなると思ってるだろうし、実際そうだから。
相手に与えるプレッシャーも考えれば2番以降(←3番以降じゃないよw)に置きたいのは当然。
だからこれは今の状況だと現実的じゃない。
じゃあ誰か?
ホントはねー、糸原を推したいところなんだよ。
打てないチームだから、いかに先発に球数投げさせて出塁するかってことが大事なんだけど、この選球眼指標のBB/Kが高いのが糸原なんだ。
なんとリーグでも4位の数字。
そして1割台の打率に比べてOBP(出塁率)が.302と1割以上高い。
これはピッチャーに球数多く投げさせて四球を選べるようになってきたことが要因かな。
まあ打てないから少しでも粘るってところもあるのかもしれないけども。
ご存知のように、昨季の出塁率は特筆すべきところだったし、本来なら糸井の次に適任なのは、実はこの糸原のはずなんだ。
ただもうね・・・壊滅的に打率が低い。
打率が1割台じゃさすがに1番を任せるわけにはいかないね。
だから現状、糸原がトップバッターというん選択肢は消えるよ。
というわけで、現在のタイガースで最もトップバッターにふさわしいのは消去法で近本ということになるね。
近本をトップバッターに推すホントの理由
まず初めにお話ししとくと、虎太は前からお話ししてる通り、あくまでも近本は現状6番が適任だと思ってるよ。
っていうか、こんな調子が続いて糸井を動かしていいならむしろ3番でもいいとさえ思ってる。
ルーキーなのにメンタルが強いし、体格の割に小力があってチーム内でなんと長打率がトップ。
めちゃくちゃ足も速いし、もう1番にうってつけなんだけどさー。
残念ながら打率の割にOBPも低いし、BB/Kも低いんだよ。
今はバッティングの調子が良くてヒットで出塁してるけど、そうそう続かないよね。
そうなってくるとトップバッターとしてはやはり四球を選べる能力が大事になってくるわけで。
そこに行くと糸原は打率は低いけど、それに比べて出塁率が高くて、近本とほとんど変わらない。
だから、これから糸原がもう少し打率を上げてきたら、近本よりはるかにトップバッターに適任ということになる。
ただね・・・。
ただチームに今必要なのは、このOBPとかBB/Kとかいう数字以上に、ヒットで出塁すること。
地味に粘って四球で出塁するんじゃなくて、初回のしょっぱなからガツンといって、チームとファンを盛り上げるムード、今日はイケルってみんなが思える雰囲気を作ることが大事なんだよ。
とにかく盛り上がらない、沈みがちなチームの導火線に火をつける役割。
今のチームのトップバッターにはこれが求められていると思うんだ。
もはやメンタルの話だけどね。
ただそう考えると、誰が適任かって、今ノッてる近本でしょってことになるんだよね。
現状、ファンにとっても一番期待している(というかそれしか楽しみがない)このルーキーがいきなりヒットで出塁して、あわよくば盗塁しちゃうよって感じを出せば、球場のファンだけじゃなくベンチの雰囲気も盛り上がるし、そして何より相手にかかるプレッシャーも大きくなるし。
というわけで、なかばヤケクソな感じだけど、矢野さんが1番に近本を置くのもいいかもって虎太は思ってるんだ。
積極的なバッティングが持ち味で、四球を狙うってより、初球からガンガン行っちゃうタイプだからね。
ホントはそれって1番としてどうかと思うけども。
ただ虎太も「最終的には1番近本」になってほしいと思ってるから、メンタルの強さも考慮して、もう1番でいけばいいじゃんってことなんだよ。
現状、近本に求められるのは左ピッチャー対策
ちょっとここでついでに近本について言わせてもらうと、近本は左ピッチャーに対してのヒットゾーンが小さすぎる。
相手が左ピッチャーの場合、わかりやすく外角低めの球一点のみヒットにしてる。
素人考えだと、そこがヒットにできるなら何で他のコースが打てないんだとも思うけども。
たぶん近本は一般的に左ピッチャーが左バッターに対して外角低めを責めるってのはセオリーだから、それを読んであえてそこを狙ってるんじゃないかな。
まあホントにそうならそれもスゴイけど。
まだまだ左ピッチャーに対しての打席数が多くないからあれだけど、今後は当然このデータを相手も利用するだろうから、近本はこの対角線、つまり左ピッチャーの内角の高めを引っ張ってヒットにできる必要がある。
対左ピッチャーの打率を少しでも上げること。
特に左に弱いチームでもあるし、これが現状近本に求められることだね。
ハードルが高いのは重々承知してるけども。
・・・というわけで、ホントに長くなっちゃったけど、虎太が考えるトップバッター像についてお話ししてみたよ。
まあタイガースは現状トップバッター問題どころか、そもそも守備位置も含めてスタメンそのものが迷走してる。
とにかく少しでも早くスタメンが固定できることが大事だね。
そのためにはルーキーだけじゃなく、野手全員に貪欲さを前面に出したプレーをお願いしたいところ。
なんだかんだ言っても、まだペナントは始まったばかりだからね。
じゃあまたね!
虎太